◆日本では「阪神・淡路大震災」や「熊本地震」など、内陸の直下にある活断層でも大地震が発生し、局地的に甚大な被害が発災。政府の地震調査委員会は、全国の活断層で地震が発生する危険度を、「S」や「A」などの4段階に「ランク分け」したうえで警戒を呼びかけています。
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活断層の地震とは】
(1)活断層は日本の内陸や周辺海域にある断層で、地質調査などで繰り返しずれ動いて地震を起こしていたことが確認されているものをいいます。震源が比較的浅く、内陸で起きると阪神淡路大震災や熊本地震のように甚大な被害をもたらします。
国は、このうち長さがおおむね20キロを超え、地震が起きた場合、社会や経済に大きな影響を与える114の活断層を「
主要活断層帯」と認定して、重点的に調査や評価を行っています。
(2)周期的に発生する「
海溝型地震」と違って、活断層の地震は発生間隔が数千年程度と長いため確率が大きな値になりません。平成26年に熊本地震を引き起こしたとされる断層帯の一部の区間でも、地震の前、今後30年以内の発生確率が「
ほぼ0%から0.9%」と評価され、危険性が正しく伝わらずかえって安心情報になったという指摘が出ていました。このため危険度は確率ではなく、4段階の「ランク」で分類されています。
【
活断層の危険度ランク分け】
(3)「
活断層地震」は、周期的に発生する「
海溝型地震」と違って、発生間隔が数千年程度と長く確率が大きな値にならないため、危険度は4段階の「ランク」で分類されています。
ことし1月1日の時点で、「
Sランク」に分類されている活断層は全国に31ありますが、このうち確率が、阪神・淡路大震災が発生する直前の8%を超え、特に切迫度が高いとされているのは、次の8つの活断層帯です。
《
切迫度が高い順に、》
①「糸魚川ー静岡構造線断層帯」のうち長野県の区間
②静岡県にある「富士川河口断層帯」
③熊本県の「日奈久断層帯」の一部
④長野県の「境峠・神谷断層帯」
⑤「中央構造線断層帯」のうち愛媛県の区間
⑥岐阜県と長野県にある「阿寺断層帯」
⑦神奈川県にある「三浦半島断層群」
⑧広島県と山口県の沖合の「安芸灘断層帯」となっています。
(4)活断層が引き起こす地震は、南海トラフや日本海溝などで起きるプレート境界型の地震と異なり、発生間隔が数千年程度と長いのが特徴で、今後30年以内の発生確率を計算すると、その値は小さくなってしまいます。ただ、確率が低く見えても、決して地震が起きないわけではなく、突然、大きな揺れが襲ってくることもあります。日頃からの備えを進めることが大切です。
内陸直下 活断層による地震に警戒を
https://www3.nhk.or.jp/news/special/saigai/natural-disaster/natural-disaster_06.html
【最も危険な断層】糸魚川ー静岡構造線で地震活動が活発化している!?
https://www.youtube.com/watch?v=L7wBTsmOQ1s